先生と生徒仲間の4人で、亀戸聖矢さんのコンサートに行ってきました。
亀井聖矢withハンガリーブダペスト交響楽団
小林研一郎指揮
ロッシーニ/歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
リスト/ピアノ協奏曲第1番
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
セヴィリアの理髪師は、コバケンさん思い入れがあるそうで、熱いMCが入りました。
ブダペスト国際指揮者コンクールで振ったのだそうです。
オケ形式の演奏ですが、まるで舞台が目の前に広がるような、臨場感のある演奏でした。
亀井さんは初めて生で聴く機会だったのですが、
圧巻でした。リストさんらしい激情的かつ華麗に弾く箇所は、
激しく弾いてるのにこんな美しい音がするのが不思議なほどでしたし、
何よりもppの美しさったら!!
アンコールはラ・カンパネッラ。これがまたものすごく良かった。
先日フジコさんが亡くなったのをのを機に10人ほどのピアニストの演奏を聴き比べていたのですが、
その中で僕が1番好きだったのが長富彩さんという若手のピアニストの演奏だったんです。
過度に激しくも華麗にもならず、どこまでも優しく盛り上がっていくところが僕の感性にあったんだと思う。
で、亀井さんの演奏がそれにちょっと近い感じで、
ここでもppのなんともいえない美しさと、
ラスト近く盛り上がるところでも優しさと柔らかさを失わない演奏。
この曲、いろんな表現の仕方があるんだろうけど、
「激しさ」でも「華麗」でも「深み」でもなく、「柔らかい」印象なんだよね。
いや、こういう受け取り方は僕だけなんかもしれないけど。
こりゃものすごいものを聴いたよ!
最前列には追っかけらしきお姉さん方もいて、
なるほど熱狂的なファンがつくはずだと納得した演奏だったのでした。
ドヴォルザークさんのこの曲は、キャッチーで美しいメロディと僕ら素人でもわかりやすい構成・構造で、
いわゆる「聴きやすい」曲だけど
反面、聴き手を演奏に引き摺り込むのは難しいと思うのです。
それを見事に僕らの心をとらえて離さない演奏。
鳥肌が立つような思いをするところがたくさんあって、引き込まれました。
疲れてたんで寝ちゃうかもとか思ってたんですが、
いやいやそれどころじゃなかったよ!
で、コバケンさん。
以前に比べると激しさがややなりをひそめた感じ。
なんせ御歳84歳ですからね。
その代わり、微動だにしない時間がけっこうあった。前からそうだったっけ?
オケを信頼しきって音に身を委ねているようで、何度も繰り返す会場の方に手を差し伸べるような姿は、
「音をもっと前に!客席に向かって飛ばせ!」と言っているようで、実にカッコよく、感動的でした。
やっぱこの人の指揮は、その姿からも心に届く魂を感じる。
亀井さんのアンコールの前には、
第1ヴァイオリンの人の椅子に無理やり座ろうとして一つの椅子に一緒に腰かけてたり、
その飾り気のないお人柄も素敵でした。
先生、Iさん、Kさん、ありがとうございました(^▽^)